ショートレポート:コロナの日本感染者数予想アップデート

 「コロナの日本感染者数2月中旬で4,100人、SARSより甚大な影響の可能性も【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】」では、武漢の推移を参考にして、新型コロナウイルス(COVID-19)の2月中旬における日本感染者数を4,100人と試算した。一方で、これまでに判明した日本感染者数は59名にとどまり、当時の想定ほどは増加していない。もっとも政府が感染者の把握に前向きになりつつあることから、当面は感染者数の増加が避けられそうにない。
 


 

 前回の試算以降に判明した情報を整理すると、「基本再生産数」が上振れしている。感染者数の試算には影響しないが、「致死率」が下振れしているのは若干の安心材料であろう。また、中国は1月23日に武漢を閉鎖する一方、1月27日から国外旅行を含む全ての団体ツアー旅行を禁止した。一方、日本は2月1日より湖北省に滞在していた外国人らの入国を拒否している。森雅子法相は2月3日の衆院予算委員会において、武漢市からの直行便で1月20日~23日に外国人約1,700人が日本に入国したこと、1月20日~2月1日に中国から直接入国した中国人数が約34万1,800人だったと述べた。
 

 以上を元にした日本感染者数の試算は以下の通りである。各種条件は変わっているものの、来日客数減少と基本再生産数の上昇により、日本での感染者数は5,000人と、前回試算からさほど変わらない結果となった。
 

★試算
中国からの19年1月訪日外客数(75.4万人)×日数按分(19/31)×武漢構成比(9.6%)+1,700人=4.6万人
武漢感染率:1.94%(前回比で変更なし。感染率5%との見方もあるが、1月後半時点ではそこまで上昇していない可能性)
武漢からの訪日客数(4.6万人) × 感染率(1.94%) × 基本再生産数(5.7) = 5,000人
 

 5月頃まで長引く可能性が見込まれたが、五輪開催の場合には感染が再度拡大する可能性もあり、終息の時期を見込むのは難しくなっていることも懸念点である。長期化するほど、感染者数は指数関数的に増える可能性がある。日本での感染者数(クルーズ船を除く)は59名であるが、新型インフルエンザのシミュレーションによると、本日時点での感染者が30人であり、無症状で日常生活をしている場合、3日後には700人、1週間後に12万人に拡大する可能性が示唆されるそうだ。
 

■基本再生産数(一人あたりの感染者が生み出す二次感染者数の平均値)/上振れする可能性
現在報道では2.5人と言われているが、先週火曜日の新しい論文によると、4.7-6.6人と報告されている。よって感染の拡大スピードは予想より上振れする可能性。

■致死率/下振れの見込み
現在の発表は2%だが、実際は1%未満と思われる。(軽症者の検査ができていないため)。

■重篤率
5%が重症化している。ただし、この数字はクルーズ船モデルであり、特徴としては高齢者が多いということ。

■感染者の推移と期間
今日の感染者が30人とした場合、無症状で日常生活をしている場合、感染者の推移は3日後に700人、1週間後に12万人に拡大という想定がされている。
来週には感染者の後追いが出来ない状態になる見込み。
終息は本来、気温が上がる時期だが、オリンピックがあり、北半球からの来訪者によりぶり返しが起きる可能性があることから、推理できない。

■ウイルスの生存日数
ドアノブなどの硬い物質の上でも9日間生きると言われている(インフルは1日)。

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