テクノロジー活用と介護アウトカム

 近年の介護業界の話題で介護ロボットやテクノロジーの活用の話題の中で語られることが多くなった「介護アウトカム」「アウトカム評価」という言葉をご存じでしょうか。

 

 「アウトカム」という英語は、「成果・結果」という意味です。なので、「介護アウトカム」というと、ケアによってお客様がどうなったかということです。(もちろん、変化がなかったという結果もありえます。)

 今、「介護アウトカム」という言葉に注目が集まっているのは、2018年度の介護報酬改定によって、「アウトカム評価」が重要視され、介護予防訪問リハビリや通所介護にも導入されることになったからなのです。

 

「アウトカム評価」とはどういったものでしょうか。それを知るには、これまでの介護報酬制度について、理解が必要です。

 これまでの介護報酬制度では、ストラクチャー(構造)とプロセス(過程)のみによって評価がされていました。実際はもう少し複雑ですが簡単に言いかえると、介護福祉士が何割いてどんな人員配置をしている施設に、どのような要介護度のお客様がいてどの程度機能訓練を実施したのかというようなことで、その介護施設へ支払われる介護給付金の額が決められていました。

 

 つまり、介護は、介護保険制度によって「サービス」とされながら、それを受けるお客様のADLや活力がケアによってどのように変化したのか等、サービスの効果とその評価が無関係であったのです。

 そうなると、介護施設にとって良いサービスを提供することのモチベーションが少なく、サービス品質を高くしようとする努力がされなくなってしまう可能性があります。そうした事態をなくすため、良い結果を出したことを評価する「アウトカム評価」が介護報酬制度に加えられました。

 

 ただし、ケアの結果に対する考え方は、社会的・文化的価値観や個人の人生観の相違によって異なることが多くあり、どんなケアが良いケアなのかということは一概にいえません。高品質なサービスを提供する施設が評価されること以外に、社会的コンセンサスが取れることや低価格で客観的な評価指標を定めることなどが必要となりました。

 そうした中で、介護ロボットをはじめとしたテクノロジーによって得られるデータの活用に可能性が見出されるようになったのです。

 

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