「道具」を変えたら業務も変える②

 前回のコラムでは、私たちの施設での課題に合った解決ツールとしてセグウェイを導入した事例をご紹介しました。(前回のコラムはこちら)この事例は、どちらかといえば介護職員の負担軽減を実現するツールでした。

 

 今回は、業務負担軽減とサービス品質の向上の両方を実現させるツールと、その活用事例をご紹介します。使用する機器は、パラマウントベッド株式会社の提供している見守り支援システムの「眠りSCAN」です。

 これはベッドのマットレス下に敷いてコンセントを差し込むだけで、ベッド上で眠るお客様の体動を検知し、心拍、呼吸数、睡眠の状態が測定できるセンシング機器です。パソコンなどの端末それを確認することができるため、まず業務負担軽減という点では、定期巡回という業務をパソコン上でのモニタリングに代替することが可能となります。

 サービス品質の向上という点では、お客様が起きている、もしくは眠りが浅くなっているときに介入するというオペレーションに変更することで、お客様の睡眠を不必要に邪魔することがなくなります。このことでお客様の昼夜逆転を解消することができ、そうした夜間の睡眠効率向上が日中のADLや活力に大きく影響を与えます。
 さらに、そうしたお客様のADL等の変化をデータという根拠を持って実感することができると、現場職員の業務に対するモチベーションもおのずと上がっていきます。

 

 実例を知っていただくことで、ツールを導入してそれを最大限活かすオペレーションにしていくことの重要性がお分かりいただけたのではないでしょうか。

 

 一方で、新しい機器の導入はオペレーション変更を伴うものとなるため、介護ロボット等の導入を好意的にとらえられない職員が多かれ少なかれ出てしまうと思います。組織全体で新しい機器の導入・使用に対するモチベーションを高めていくための工夫も欠かすことができません。
 一つの方法として、導入後は初めに特定のフロアの職員が使い方をマスターし、そこから使用を段階的に広げていくのが有効です。オペレーションを実行していくのは現場なので、トップダウンで職場全体へ一気に導入するよりも、先にマスターした職員が使い方や具体的な効果を他の職員へ伝えるほうが、機器に対する良いイメージが広がりやすいのです。
 導入後も職員の声を継続的に集め、良い結果につながっているか、問題点は何かなど、細かな検証を重ねることが大切です。

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