超高齢社会を見据えた善光会の実験 ~ハイブリッド特養プロジェクト~

今回は私たちが運営する施設で実施している取り組みの一つを、ご紹介します。

善光会は、設立当初より掲げる「オペレーションの模範となる」「業界の行く末を担う先導者になる」という二つの理念の下、介護業務の変革を試みてきました。今回は、当研究所と法人内の施設が連携して取り組んでいる「ハイブリッド特別養護老人ホームプロジェクト」についてお話しします。

本プロジェクトは、2014年に2つの目標を掲げてスタートしました。

・介護士の業務負担を従来比25%削減
・科学的介護による高品質なサービス提供の実現

これは超高齢社会で介護事業を維持していくため、サービス品質を落とすことなく業務の効率化を実現するための試みです。

実施していることは、大きく分けて「運営する施設の現行オペレーション分析」と「テクノロジーを活用したオペレーションの改善」の二つです。
具体的には、まず介護士の一日をモニタリングし、業務を以下3つのカテゴリーに分けて調査分析を実施します。その後、削減可能な業務を洗い出した上で、特定の特養フロアに介護ロボットや最先端機器を集中導入。それらを活かしたオペレーションを構築することでその業務負担削減を図るというものです。

・直接介助:お客様と接する一般的な「介護業務」
・間接介助:見守り・巡回等のお客様と接しない業務
・間接業務:記録や事務処理等、通常「介護業務」とは呼ばれない作業

今後施設に介護ロボットを導入して業務改善をしていきたいと考える際にも同様ですが、大切なのは「現状把握」と「オペレーションの更新」です。この二つによって、施設が抱える課題解決のために必要なテクノロジーが何か明確になり、それを最大限活かすことが可能になります。

例えば、ある施設においてオペレーション分析の結果、見守り・巡回業務が大きな負担となっていることがわかったとします。であれば、その施設にとって有効なのは見守り・巡回の負担軽減が可能なセンシング機器の導入であり、それを活かしてモニターチェックのみで見守り・巡回業務を完結する業務手順とすることが、負担軽減につながります。

当法人では、現在までに130種類以上の介護ロボットやセンサー等の関連機器を試してきましたが、それらは施設によっても使い方によっても効果の度合いは異なります。さらには、テクノロジーの進歩や私たちの活用方法次第でより一層の効果を引き出す可能性が秘められています。
目標としていた25%の業務負担削減はすでに達成していますが、更なるテクノロジーと業務改善の可能性追求のためプロジェクトを継続しています。そして、介護福祉施設を運営する事業者内にある研究機関として、介護業界全体にお役立ていただける取り組みができればと考えております。

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