来たる2025年を前に、次世代の介護リーダー育成を目指す

 2019年3月に当研究所が創設した「スマート介護士」という資格試験、および研修をご存知でしょうか?今回は、そのコンセプトについてのお話です。

 

 「スマート介護士」を一言で表現すると、「これからの時代に適応した介護現場を作ることができる介護士」です。

 

 今後より一層人材不足が深刻化し、このままだと2025年に37.7万人の需給ギャップが生じるといわれる介護福祉業界。これは業界に携わる者はもちろん、日本の社会全体で考えなければならない問題です。その中で介護ロボットをはじめとした先端技術を利活用する必要性は、業界内では常識的に語られているところです。

 

 では、介護ロボットを施設に入れたら一発解決なのか。もちろんそんなことはありません。介護ロボットをはじめとした最先端技術を導入するにも乗り越えていかなければならないポイントがいくつもあります。
「スマート介護士」という発想は、すぐそこに迫る人材不足という課題を前に、当研究所が提示する介護ロボットや最先端技術とうまく付き合っていくための一つの解決策です。

 

 2017年に当研究所を立ち上げて以来、経営戦略の立て方やビジョン設定の仕方、オペレーション構築の方法等、介護事業者様に対して様々なアドバイスをしてきました。中でも、やはり介護ロボットやセンサー機器等を導入するための支援が多かったように思います。
 そうした支援をする中でわかったのは、事業者様にとって最も難しいことは、介護ロボットや先端技術の操作方法を理解した上でそれを生かしたオペレーションを作り上げていくことでした。機器の使い方を完璧に理解できていても、その機能を最大限に生かす業務手順ができていなければ、かえって業務の負担が増えてしまうことやサービス品質を落としてしまうことにつながります。

 

 例えば、風邪をひいてしまったときに、その特効薬を処方されたとします。もちろん、正しい飲み方をしていなければ、薬の効果を最大限引き出すことはできません。他にも、十分な睡眠をとることや健康的な食事をとることなどの生活改善をしなければ、すぐに風邪を治すことはできませんよね。

 

 介護の業務改善もそれと同じです。「介護ロボット」という特効薬を手に入れて、その正しい使い方を覚えて、そして業務改善をするために最適なオペレーションを作っていく。さらに加えるならば、現場の職員一人一人がその重要性を理解し、実践していくことができる。そんな組織になっていくことこそが、介護ロボット等を活用した業務改善の本質ともいえます。

 

 「スマート介護士」というコンセプトは、健康的な生活習慣(=高品質、かつ生産性の高いオペレーション)をどのように作り上げていくべきなのか、その思考力を養う、今後の社会福祉業界に必要なスキルなのです。

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